サイド・ロード

相も変わらずしみったれ

「俺はスマブラはひとつの芸術だと思うんだよね」

 絵を書く上で、なるほど全然気が付かなかったことなのだが、上手い人はどうやら「独特のリズム」みたいなのがあるらしい、ということなのだ。

 しかしまあ話してるのは絵の話である。音楽のリズムもカスもないだろう、あほ、ぼけ、と言われたらしゅんとしてしまうが、まあとにかくリズム、という言葉で表現するというのが妥当であろうと思う。音楽用語には疎いが、周期的なもの、という意味よりかはもっと漠然とした感じにとらえてもらったほうがありがたい。

 上手い人の線画などでたとえば、線の強弱。これは線画の影だとかそういう言い方をされる。

 試しに適当にうまいなーと思う人の絵を見てもらえればわかるのだが、黒のふくらんだところだとか、逆に細くなってるところだとか、そんな感じの箇所がところどころに見られるだろう、と思う。他の上手い人にもそれとは大なり小なり違いはあれど、基調の線の上にそういったものがぼくん、ぼくんといった感じで乗っかってる感じ。

 あとまあ、塗りとかでも例えとくと、ハイライト、影の具合だとか、そういうところになってくるだろう。これも正確な色の選択あるいは逆に崩したりとかアクセントを置いたりとか、もうここらへんはよくわからんので黙する。

 そういったものは、まあ多くの場合はそこにあるべくしてあるのである。それらが綺麗に調和した絵は非常に見てて心地いいものである。

 そして、例えば僕みたいにそこまで上手くない人間は、そのふくらんだところだとか、そういうのについてはまだよくわかってない。そんな感じである。また(こういう言い方をしてしまえば非常に失礼なのだが)逆に線画の影を多用してしまって奇妙な感じになってしまってる人とかも、探せばいる。

 ここでひとつ浮かんだのが、ギターの「トレモロ」のことだ。これは一部のギターについている変な棒で、グイッと押し込むと弦がわずかにたわんで「ウワンウワン」というふうになる。これ正しいところで使えば非常にいい感じになってくれる。しかしやたらウワンウワンしてたら苦しいし、かといって普通に演奏したら100点にはなろうともそれ以上のものにはならないだろう、と思う。

 そして、それに並ぶようにして「スマブラ」が浮かんだ。スマブラで最も強いとされていることとして「強いところで強い技を振ると強い」という本当に頭の悪そうな正論がある。

 ココにおける行動というのは単純な技だけではなく、例えばTANIステ、コンボ、ダウン連、メテオ、ぶっぱ、暴れなどなどその他も含まれる。基調としての立ち回り、技選択などとその個人のなかの技術。それらがあわさってひとつの立ち回りの曲調、文法、絵画が完成する。誰の言葉だったかは忘れたけれど、「対戦ゲームはお互いの美学をぶつけ合う戦いである」というようなことがある。当時はへえ、面白いなぁとしか思わなかった一文だけど、今だったらなるほどなぁ、と思える。

 別にスマブラに限らず、ひとつのなにか上達を必要とする事象において、すべてが非常に芸術というか、まあなんかそれらに近い位置にあるんだろうな、とは思う。