サイド・ロード

立入禁止のたのしいほうへ

やっぱまあ、ごたごた言わずにやってみるのが一番いいってこったよね。それはわかってるんだけどもね。

 一週間にわたるレポートの呪縛から開放された。これで僕はのんびり寝ることも、あるいは夜更かしすることも、あえて、寝ないという手段を選んでみたりなどと、様々な睡眠手段を取ることができるわけである。これで、レポートのせいで夜は眠れない。昼におもっきし寝てしまう、やることもないから真夜中にギターかき鳴らして大はしゃぎする、なんてことをする必要はなくなるのだ。これらを選択肢に入れながら、自由に睡眠を取ることができるのだ。何よりも幸福だろう。

 さてさて、ここまでレポートに苦しんでた理由としては、やはり、どのような名文をしたためて、この出席が微妙にあやうい授業の成績をがつん、と上げて単位を獲得してやろうか、などという心の持ちようがよくなかったのだ。

 学科が学科なので(秘匿させていただくが)割と自由でこのレポートの執筆が楽しくない、ということはないのだけれど、真っ白なワードの画面を見て、さてさて、交響曲を奏でるベートーヴェンがごとく、ときに拙く、ときにうまく、最大限に自分の中の声を表現してやろう、とキーボードをかつかつかつ、と押して見るのだが、どうにも息苦しい。おかしい。昔、といっても8ヶ月ほど前には、半分ねぼけたような頭で、7000文字にも渡るスケベSSを執筆していたような、そんな人間であったのに、文字を書くのはここまで苦痛なのかと、改めて認識した。

 例えばこう、文章の初めのスペースをタン、と叩いて、まあ序文を書こう、と思い、たたたたた、と指を滑らせる。タイピング検定系のやつで簡単に測定した結果、1秒間に5文字を打鍵することができる、ということが判明した僕のすごい指は、これもう3分に1文字。進んどらんのだ。なんなら打ってる途中で気持ち悪くなってくる。体調が悪くなった。ついでにエアコンのリモコンをなくして実際に風邪もひいた。そんなわけで、提出日前日までこう、ぼーっとしていたわけなのだが、2日前にさすがに本腰を入れないとまずい、ということでぱぱぱぱっとやってみたらなんかできたのだから恐ろしい。

 もうなんか、文章は書くのが本当に怖いのである。絵の場合だと、一瞬に浮かんだイメージ、こう、ぼけーっとしてたらなんか出てきたしラフしとこ、うむ、ええかんじや、この調子で書くぞ。ということでそのラフをより面白くない形にしていったら何らかの成果物ができる。描いてる間に浮かんだものもとりあえず描いとけば、なんらかの絵に不条理のようなものができて、一種広がりが生まれてまた面白い。町田町蔵が「歌詞の書き方」として柱にまず思い浮かんだ単語を置いて、その周囲に適当に散漫としたイメージをつけていく、というようなことを解説している動画を前YouTubeでみたのだけれど、自分の場合は本当にそんな感じで絵を描いているように思う。

 のだけれど、文章は止まってくれないし、不条理であればあるほどもうこれ、意味不明の文体、玄人向けの文章になってわからない人置いてけぼり、ましてや二次創作となってしまえば私物化、などと恐ろしいことを言われる可能性があり、作者は口をとんがらすことしかできない。未だに自分がどのようにして文章を生んでいたのか全く覚えていないし、そのせいで書かなくなってしまってもうコツなんてものがほっぽりだされてしまった。

 作品、というか対象物の共通のイメージとして、たとえばぽん、と湧いて出てくるイメージというのは円形のボールのようなもので、たとえばこれ絵だったら平面なところに置いてゆっくり腰を下ろして、しゃかしゃかしゃか、と書けばいいのだが、文章となると坂道をずだだだだっと下りながらキーボードをしゃかしゃか動かし、たまに分岐点にさしかかったりするのだから、本当に自分の持久力との戦いだと思い、本当にすんごいことだなぁ、と改めて思う。

 別にどっちが優れてるとか、そんな不毛なことを言うつもりはないのだけれど、やっぱなんか、なんか浮かんだものを外に出すってのは難しいんだよなあ、と改めて思った。

 ロコCP合同の参加締め切りがあと一週間を切った、ということは徐々に締切も近づいている、ということである。あと約30日程度、と仮定して、僕の進歩といえば本当に0で、ちょっと前に書いた「漫画か絵か文か」さえも決めかねている。非常に恐ろしい。せめて、ものが作れたら、と思う。それはもう最低限の考えではあるのだけれど、やはり万人に愛される、美しい、名文、名画を仕上げてやる、という心持ちは大事ではあるが、たぶん昔の僕は「絵描けないし文章のいろはもさっぱりだけどなんか作りたいな」くらいしか考えていなかったはずで、その頃の自分の作ったものが好きなので、これもうこの考えが自分のベストの考えではあるのじゃないか、と思うからなのだ。なんてことをごだごだ言わず、ものをつくれ、というのはあるんだけどね。