まちばり

おもいでのパッチワーク

”デンデケデケデケ……”

 「青春デンデケデケデケ」という本を読み終えた。

 この本は高校生の少年がベンチャーズの「パイプライン」という曲を聴いてロックに目覚め、仲間うちでロックバンドを作り、秋の文化祭で、がんばるぞということで紆余曲折、右往左往、切磋琢磨、喜怒哀楽、というふうに踏ん張る物語。

 「デンデケデケデケの呪い」というような感じで進むのは、現在の僕も様々な呪縛を受けている身であるため、半ば感情移入しながら、本とともに風呂へ向かったりなどとした。

 そして物語のクライマックスというのは爽快、快活な気分で終わるものだろう、そうじゃろうというふうに読み進めて終わり間近ではニコニコしていたのだが、これ最後言ってしまっていいのかわからないのだが、緩やかに幕が引いていくように、それこそ音楽的表現を使うなら「フェードアウト」していくように、彼らは受験という高校生の絶対敵によって、結束こそあれどバンド活動から手を引いていき、少しずつ欠けていってしまう。そして気を弱くしていく主人公……。

 結局なんだか胸に穴を開けられたような気持ちで読み終わってしまった。青春には幕引きが必ず訪れるというのはあまりにも残酷ではあるまいか、とは思えども、やはりこれ日本国に生きとし生けるもののうち、踏み落ちないためにはそうするしかないのである。

 そして、いくら強く心を動かした呪いもまた、薄くなっていく青春の色とともに、やがて力を無くしていくのかもしれない。

 しかし、あくまで主人公が語っているという設定なのか、ちら、と何年も後の主人公が顔を覗かせ、「今この人はこうなっているのだ」というようなことだけを言い、活字の舞台裏に去ることもあるに、そのデンデケデケデケはメインの音色からはフェードアウトしようとも、少なくともあの時を彩っていた限りなく透明に近い色となり、どこかで今に薄い輝きを注いでいるのだろう。

 僕にもそのようなことはまれにある。本当にまれだが、そのベンチャーズの「パイプライン」の”デンデケデケデケ……”を聴いた瞬間にチョロQHGというゲームの「スプラッシュ・レース」だとか「フロートパーツ」なるものを装着し、水の上をチョロQで駆けて競う奇怪千万なるレース規格があったことを思い出したのだ。あの頃は5歳だか6歳だかだったが、未だにそのへんの「フラッシュバック」のようなことはいくつもあるし、実際、いくつもの創作物の中にも現れていたりする。

 特に、ロコCP合同に提供したSSについては、自分でも完全に記憶していなかった、深層に潜んでいたとしか思えない、そんな幼少期にやったゲームの中の記憶さえ掬い出してきてしまった。最近PS2を入手して、懐かしのゲームをいろいろプレイしている時にふと気がついたのだ。スイッチでのリメイクが決定されたアレだ。

 アレが何か?これは、ぜひ楽しみにしてほしい。(この期に及んで宣伝かッッッッッッ!!!!!)(でも、実際そうなんですよ。俺もびっくりした)